そこではさまざまに成形ができる無垢な"陶土"、製陶に適した"水"、高温で一気に焼き上げる火力のもととなる"燃料"に恵まれ、美濃焼ならではのしなやかな陶肌が生まれました。

耐水性や丈夫さから台所や銭湯のタイルなど水回りに用いられるほどの強靭な焼きもの。吸水性がほとんどなく匂いがつきにくいのでいつでも純粋そのものの味わいを感じることができます。

「詫び寂び」に通じる枯淡（あっさりしていて趣があること）を重んじる茶人・千利休も遊び心ある佇まいや豊かな色彩に息を呑むほどの美しさを纏う焼きものだとか。

形・色・模様など一切とらわれず、それぞれの時代に寄り添う親しみやすさ、使いやすさを併せ持つ才色兼備な器。日々の食卓にすんなり溶け込む端整なカタチは現代の暮らしにも数多く取り入れられている理由のひとつかもしれませんね。

窯のなかで歪みや変形が起きてしまう複雑なデザインをあえて施し焼成します。仕上がりは窯の”ご機嫌に任せている”といっても過言ではない至難の業だそう。

極めて困難な製造の中でゆっくりと優美な姿へと変わりゆく様はまさに並外れた熟練技。窯炎が織りなす色の重なりは奥行きのある新たな質感を映し出します。

そこに置いておくだけでキッチンに穏やかさと温もりが漂う豊かな風合いはまるで骨董品のよう。風情ある佇まいにどこか懐かしささえ覚えます。

長い歴史の中で育まれた伝統と革新。地域で培われた上質な素材、この道何十年の卓越した技術、洗練された"かたち"に着目したGLOCAL STANDARD PRODUCTS(グローカルスタンダードプロダクツ)。

年月を経ても変わらない「ぶれない精神」と流行に影響されすぎず、かつ客観的なデザインを行う「偏らない精神」コンセプトがシナジー効果を呼び起こします。

技術や歴史を守り継いでいく責任、ものを生み出すということに真摯に向き合う姿勢がひとつひとつのモノに語り継がれているような。

独創的で美しくスタンダードなデザインと確固たる品質を根底に掲げ、新たな製品として蘇らせる革新は日本を代表するブランドとも言えます。

お湯が長く留まる一つ穴ドリッパーはポットだけでなくマグカップにも直接淹れることができる優れもの。

内側の「リブ」が空気を丁寧に逃がし、雑味を軽減。ゆっくりと粉が膨らみながらドリップされた珈琲はふくよかな味わいが広がります。

淹れた量が一目でわかる覗き穴はコーヒーが溢れる心配がないので安心。蓋付きポット（650ml）でそのまま保温できるのでゆっくりとティータイムをお過ごしいただけます。

持ち手には天然素材ラタンを使用。陶器と籐のコントラストが優雅な風合いを醸し出し、使うほどに飴色へと色添う経年変化も楽しみのひとつですね。

特選食器などに用いられる最高級クラスの"18-8"ステンレスを採用した茶こし付きポット。コーヒーサーバーとしてだけでなく急須としても◎

人の研ぎ澄まされた感覚が丁寧に造り出すたったひとつの”うつわ”。とっておきの一杯とともに思うままのひとときをお楽しみいただければ幸いです。