雨水利用の豆知識

雨を楽しむ建築の意匠たち

ヨーロッパの古い建物によく見られる怪物などをかたどった彫刻が施された ちょっと不気味な感じもする雨樋の“ガーゴイル”

中国では、故宮などの建物の欄干からたくさん頭を突き出した、水を好む??(こうふく)(龍に似た動物)が意匠として彫られた柱や雨樋、橋や、水路の出口がある。

世界各国にも雨を建築物の意匠に取り入れたものはたくさんあります。
雨が豊富だから、あるいは雨が少なくて貴重だから、いろんな理由があると思うけど、やっぱり雨って人の生活に密着した存在なんだと思うのですね。

日本は言わずもがなの高温多湿な国。
ちょっと目を凝らしてみたら、建物にも雨を意識した構造や知恵、雨を楽しむ意匠がふんだんに取り入れられていることに気づきます。

建物に関して「雨」といえばやっぱり雨樋と屋根が一番わかりやすい。国土は狭くとも南北に細長い日本という国には気候も地域差があって。

その違いを建物の意匠の中に探したり、古来から日本人の美意識とともに培ってきた雨と共存する方法を見つけるのは、日常生活のあり方を振り返ることであり、心を豊かにすることにも通じるように感じます。

屋根から雨を集める樋にも、竪樋(たてどい)、箱樋(はこどい)、管型(くだがた) – 鎖型(鎖樋)とあって。
それぞれ日本人らしい繊細さで個性を競いあった意匠を楽しんでいたようですね。

屋根の形もしかり。
雨の多い高知県の室戸岬付近の家は壁に吹き付ける雨を避けるために、瓦のある「水切り瓦」と呼ばれる庇がいくつも付いた、機能性・デザイン性にも優れている屋根をもつ家が多い。

雨豆知識

白川郷を代表とする豪雪地帯に見られる合掌造りの茅葺き屋根は、できるだけ雪が屋根に乗らないよう急勾配になっているし。

軒下の「雨落ち」と呼ばれる部分には、屋根から落ちる雨が水たまりを作らないように、地面をえぐらないように、水が跳ねないようにと石が敷き詰めてられていて。

さらに、そこに使われる石は水に濡れると美しさを増す石を選んで使っていたそうです。

雨豆知識

さて。
かくも日本の建築や、日本人の美意識を左右してきた雨(=水)確かに最近は雨の怖い面がフォーカスされていますが…

本来は、雨はありがたいもの、かけがえのないもの、風情のあるもの、美しいものだったということも忘れたくないものですよね。

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