◆【雨豆知識】

雨水集水システムが評価された世界遺産 マテーラ

国土の形を長靴に例えられるイタリア。
そのちょうど“土踏まず”の部分に位置するマテーラの町は、150以上の石窟聖堂や、数千戸もあるサッシと呼ばれる洞窟住居で知られる歴史のある町です。

サッシが何層にも重なった不思議な形状をしたマテーラの町は世界文化遺産に登録され、今ではたくさんの観光客が訪れるようになりました。

そしてこのマテーラが世界遺産に認定された理由の一つに、なんと雨水が関係しているのです。

まずはマテーラの成り立ちについて少し。
8~13世紀にかけて東方からイスラム勢力を逃れた修道僧が住み着き、130以上の洞窟住居を構えていたそうです。

15~16世紀にはオスマン帝国に追われたアルバニア人やセルビア人などが移住。
20世紀に入ると急激に人口が増加して衛生状態が極度に悪化。

政府がマテーラ郊外に新しく集合住宅を建設し、サッシ地区の住民を強制的に移動させたために無人の廃墟に。

1993年に世界遺産の認定を受けたことで観光客が増え、宿泊施設、食堂、土産物店などが増え、現在は洞窟住居の5分の1ほどが再利用されているそうです。

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さて、世界遺産認定に関係した雨水は何かと言うと、なんと昔から大規模な雨水集水システムが発達していたということなのです。

このことが世界遺産の認定を受けるに際しても評価されたのだそう。

サッシの住宅では屋根で受けた雨水を地下の貯水槽に集めて生活用水として使っていました。さらに公共の巨大な貯水槽もいくつかあり、地下水路で各戸の貯水槽に水を供給するシステムになっていました。

住宅の軒端の瓦には横に溝があって、これが現代の軒樋にあたるもの。
壁をつたって垂直に地面まで延びている、素焼きの鉢を重ねたような筒が縦樋。

屋根に降った雨水が地下の貯水槽に集められるというのは、現代の雨水活用と全く同じシステムですね。
これらはサッシ地区を歩いていると至るところに見ることができます。

公共の貯水槽で最も大きいのがヴィットリオ・ヴェネト広場の地下にある貯水槽。
内部はアーチ状の柱を持つ岩盤をくり抜いた巨大な空間で、雨の少ないマテーラの住人にとって貴重な水源となっていたそうです。

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一時期は廃墟となってしまったサッシですが、今では自然と共存する究極の住宅とでもいえる洞窟住居の魅力に魅きつけられて、続々と移住してくる人が増えてきているそうです。

一昔前のサッシ地区は貧困の象徴とされてきたそうですが、今では富裕層から注目されて地価が高騰しているとか。

もともとのサッシの問題点を改善して住み心地のいい住宅にするって、なんだか日本の古民家再生にも通じるところがあるような感じを受けますね。

ちなみにヴィットリオ・ヴェネト広場の貯水槽は、内部を見学することができるそうです。

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