◆【グリーンインフラについて】

都市に生物多様性と

生態系サービスを蘇らせる雨庭

まだあまり耳慣れない言葉である”雨庭”

雨庭という概念は1990年にアメリカのメリーランド州で治水対策(下水の負荷軽減、水質浄化、地下水涵養など)のひとつとして生み出されたものだそうです。

アメリカはもとよりニュージーランドやドイツ、イギリスなど、すでに海外では広く普及しつつあるんだそうです。

”雨庭”とは、アスファルトや屋根などに降った雨を集めて一時的に貯留し、浸透させるための都市空間における庭(植栽空間)のこと。

降ってきた雨を溜め、溜めた雨水が溢れださないように、一定量以上になると既設の排水施設に流れ出す仕組みになっていて、さらに溜めた雨は24~48時間以内に地中に浸透するように土壌改良が施されています。

「住宅の庭」や「広場や駐車場の隅」、「道路の植栽帯」などに設置され、近くの不透性舗装から雨水を集めるための窪地型をしているのも特徴です。

日本でもグリーンインフラ(自然の有する防災や水質浄化などの力を積極的に利用した環境配慮型の社会基盤整備)のひとつとして近年注目され始め、研究が進められています。

では「住宅の庭」、すなわち一般家庭における”雨庭”はどう考えればいいでしょう?
基本的に「雨を集める」「雨を貯める」「雨を浸透させる」という概念を生かしたガーデニングと考えていい感じ。

要するに屋根に降った雨を貯めて、使うことでゆっくり地面に返す(浸透させる)というプロセスを庭づくりに取り入れること。

しかも、”雨庭”づくりは大きな造園工事も必要なく、その仕組みは誰にでもすぐに始められる簡単なものなのです。

雨豆知識

雨庭にはたくさんのメリットがあるといわれています。

1.降った雨を地面に浸透させることで、雨水が一気に河川に流れ込んで発生する洪水を抑制する

2.地下水を涵養し、湧水を保全する

3.雨水に含まれる汚染物質が土中を通過する過程で分解、吸着されることによって水質が浄化される

4.都市化によって減少した水辺の生物などの生息地となり生物多様性を保全する

5.雨庭から蒸発する水によってヒートアイランド現象を緩和させる

6.緑のうるおいのある修景

7.子どもたちが虫や魚、植物などに触れ合える自然体験を提供できる

8.隣人や仲間たちと一緒に雨庭づくりをすることによってコミュニティの交流促進につながる

1~5はよく言われていることですので、雨水活用に興味のある方ならご存知の方も多いかと。

6~8は、言われてみれば「確かにそうだ」と目からウロコ的に感じるかもしれませんね。

特に6に関して。
シンガポールでは7000kmにもおよぶ排水路をグリーンインフラとして整備したことで、周辺住宅の資産価値が2倍になったという事例もあるそうです。

デザイン的にすぐれた雨庭は、都市にうるおいのある 風景をもたらし、価値を高めることにも貢献してくれる素晴らしいものなのです。

さらに7に関して。
学校や親によるしつけより、幼少期にたくさんの自然体験をすることのほうが子供の道徳観、正義感の醸成に効果的ということも明らかにされています。

また、他動性障害や注意欠陥のケアにも大きな役割を果たしたという報告もあります。

世界的にグリーンインフラが主流化する動きの中、日本でも国交通省がグリーンインフラへの取組を推進していくことを明言しました。

家庭でも雨水タンクなどを利用し、”我が家自慢の雨庭”づくりに取り組んでみてはいかがでしょう。

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